JCL右京や留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が出場したトロフェオ・ライグエーリア(UCI1.Pro)で、レニー・マルティネス(グルパマFDJ)が勝利。20歳のフレンチクライマーが独走で大会の最年少優勝記録を更新した。



今シーズン3つ目のレースに臨んだ増田成幸(JCLチーム右京) photo:JCL Team UKYO

イタリア北西部でフランスとの国境にもほど近い、ライグエーリアを巡るワンデーレースがトロフェオ・ライグエーリア(UCI1.Pro)だ。海岸線から内陸を巡る202kmコースは前半に3つの山岳を通過。そしてミラノ〜サンレモの舞台としても知られる終盤は、コッラ・ミケリ(距離1.9km/平均8.6%)とカーポ・メーレ(距離2km/平均3.4%)を含む短い周回を4周する。

アップダウンが激しいレイアウトのためスタート地点には多くのクライマーやパンチャーが集結した。特にUAEチームエミレーツは先週末に南仏で行われたワンデーレースの勝者であるフアン・アユソ(スペイン)とマルク・ヒルシ(スイス)を揃え、EFエデュケーション・イージーポストはアルベルト・ベッティオル(イタリア)をエースに留目夕陽が出場。またイタリア拠点のJCLチーム右京は山本大喜ら日本人5名を揃えて参戦した。

ミラノ〜サンレモとコースの重なるイタリア北西部が舞台のトロフェオ・ライグエーリア photo:Trofeo Laigueglia

アレックス・マルティン(スペイン、ポルティ・コメタ)ら5名が形成した逃げグループは、アンテルマルシェ・ワンティやグルパマFDJが先導するメイン集団に最大5分差をつける。しかし周回コースに入る前の残り60km地点で吸収され、ラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)の牽引する集団からロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ)が飛び出した。

下りアタックを決めたロータをUAEが先頭で追い、それを捉えた集団から今度はヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツ)が飛び出す。集団前方での落車に山本などの選手たちが巻き込まれるなか、このペースの上下によって先頭は7名に絞られ、更にレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)の加速でアユソとダヴィデ・デプレット(イタリア、ジェイコ・アルウラー)が遅れて5名となった。

残り9.3kmから抜け出し、独走勝利したレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) photo:Trofeo Laigueglia

そして無数のアタックの末、マルティネスの仕掛けが決まった。マルティネスはこの日最後のコッラ・ミケリ(距離1.9km/平均8.6%)でクリステンの加速を利用して単独先頭に立つと、フィニッシュまでの9.3kmを独走。後続に29秒差をつけて今季2勝目、プロ3勝目を掴み取った。

フィニッシュ後「ただただ信じられない。まだタイムトライアル能力を高めきれていない自分が独走のまま勝利できるとは思わなかった。(コッラ・ミケリでアタックして)カーポ・メーレまでリードを保つことができたことが勝因だ」と、マルティネスはレースを振り返った。

トロフェオ・ライグエーリア2024表彰台:2位ヴェンドラーメ、1位マルティネス、3位アユソ photo:Trofeo Laigueglia

20歳と232日の史上最年少優勝を飾ったマルティネスは、グルパマの下部チーム出身のプロ2年目。昨年のモンヴァントゥー・チャレンジ(UCI1.Pro)でプロ初勝利を飾り、グランツールデビューとなった昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでは第6ステージで逃げから区間2位に入った注目のフレンチクライマーだ。

日本人最高位は59位(5分36秒遅れ)の増田成幸(JCLチーム右京)だった。
トロフェオ・ライグエーリア2024結果
1位 レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) 5:11:10
2位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) +0:29
3位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)
4位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
5位 ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツ)
6位 ダレン・ラファーティー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:31
7位 ルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) +0:53
8位 シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、アスタナ・カザクスタン) +0:57
9位 ポール・ラペラ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)
10位 ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ)
59位 増田成幸(JCLチーム右京) +5:36
text:Sotaro.Arakawa

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