キナンレーシングチームの参戦したツアー・オブ・ターキーが閉幕。第7ステージでトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が今大会3勝目をマークし、最終日が悪天候で中止されたためフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が総合優勝した。



第7ステージに臨んだキナンレーシングチーム Photo: KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

フランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が山頂フィニッシュで勝利を飾り、総合首位に立った大会6日目から一夜明けた4月27日(土)、ツアー・オブ・ターキー第7ステージが行われた。コースは真ん中に3級山岳とカテゴリーのつかない丘が設定された125.4km。それ以外は平坦路のため、集団スプリントが大方の予想となった。

第7ステージ:DSMの快進撃止まらず、アンドレースンが区間3勝目

晴天のなか行われた第7ステージ photo:Presidential Cycling Tour of Türkiye

キナンレーシングチームのトマ・ルバ(フランス)がコンディション不良のため不出走となるなか、激しい序盤のアタック合戦からジェームス・ウィーラン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング)とナトナエル・ベルハネ(エリトリア、ベイコズ・ベレディエ・スポル・テュルキエ)の2名が逃げを打つ。2013年と14年にユーロップカーで新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)とチームメイトだったベルハネと、元EF所属のウィーランという経験豊富な2人は長い時間逃げ続けた。

しかしDSMフィルメニッヒ・ポストNLがタイトにメイン集団をコントロールした結果、予定通り残り8kmでベルハネを吸収。また最後まで粘ったウィーランも残り5kmで捉え、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

ワールドチームに所属経験のある2名が逃げた photo:Presidential Cycling Tour of Türkiye

集団先頭でポルティ・コメタがペースを上げ、ここまで勝負に絡めていないマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のためにアスタナ・カザクスタンが先頭へ。そのままアスタナが先頭で最終ストレートに突入したものの、メカトラのためかカヴェンディッシュが失速。代わってファビオ・ヤコブセン(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)のリードアウトであるトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク)が先頭に立つと、第5ステージの再現のように、アンドレースンがそのまま先頭でフィニッシュした。

区間3勝目を飾ったトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) photo:CorVos

第4と5ステージに続き、区間3勝目を飾ったアンドレースン。またチームとしてもDSMは4連勝を達成した。



第8ステージ:雨天中止でファンデンブルークが総合優勝

パレード走行になった最終ステージで総合優勝を決めたフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) photo:Presidential Cycling Tour of Türkiye

最終日の舞台となったのは、トルコ最大の都市イスタンブール。この日も集団スプリントが予想された平坦のコースを予定していたものの、悪天候のためレースキャンセルが決定。そのため選手たちは周回コースでパレード走行を行い、第7ステージ時点での総合成績が大会結果となった。

それにより総合優勝は23歳ファンデンブルークの手に。「今週は夢のような瞬間の連続だった。チームと共に総合優勝することができて本当に嬉しいし、今後のレースに向けて自信がついた」とファンデンブルークは喜んだ。

総合優勝に輝いたフランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) photo:Presidential Cycling Tour of Türkiye

7戦5勝とDSMが圧倒的な結果を残した今大会。キナンは新城雄大と孫崎大樹、山本元喜という3名の日本人選手が無事完走を果たし、総合での最高位はドリュー・モレ(オーストラリア)の32位だった。
第7ステージ結果
1位 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) 2:50:5
2位 ティモシー・デュポン(ベルギー、タルテレット・イソレックス)
3位 マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・コメタ)
4位 サシャ・ウィーマース(ベルギー、ビンゴールWB)
5位 セルゲイ・ロストフツェフ(ロシア、サカルヤBBプロチーム)
個人総合成績
1位 フランク・ファンデンブルーク(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) 25:53:09
2位 メルハウィ・クドス(エリトリア、トレンガヌ・サイクリングチーム) +0:04
3位 ポール・ダブル(イギリス、ポルティ・コメタ) +0:09
4位 メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌ・サイクリングチーム) +0:24
5位 ハロルド・ロペス(エクアドル、アスタナ・カザクスタン)
その他の特別賞
ポイント賞 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
山岳賞 ヴィンツェント・ドーン(ドイツ、バイクエイド)
チーム総合成績 Q36.5プロサイクリング
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos