スペシャライズドの誇るトレイルバイク、Stumpjumper EVOがフルモデルチェンジ。160mmへとストロークを伸ばし新登場したニューモデルは、6種の可変ジオメトリ―や前後異径セッティングに対応するトレイルバイク新時代の基準となる一台だ。



スペシャライズド S-works Stumpjumper EVO(国内未展開カラー)スペシャライズド S-works Stumpjumper EVO(国内未展開カラー) (c)スペシャライズド・ジャパン
世界で初めて商業ベースに乗ったMTBとして、自転車の歴史にその名を残すのがスペシャライズドのStumpjumper。1981年の登場以来、スペシャライズドのMTBラインアップにおいて中核となるトレイルバイクにその名が与えられてきた。現在では、XC向けのEpic、エンデューロ向けのEnduroの間に位置するオールマウンテン/トレイルバイクとしてラインアップされている。

2018モデルにおいて特徴的な左右非対称のフレームデザインへとモデルチェンジされて以来、登りも下りも100%楽しめるトレイル向けの一台として、多くのMTBライダーに愛されてきたStumpjumperの下り性能を更に強化したStumpjumper EVOがフルモデルチェンジを果たした。

ドライブサイド側にのみ設置されたサイドアームによって必要な剛性を担保するドライブサイド側にのみ設置されたサイドアームによって必要な剛性を担保する (c)スペシャライズド・ジャパン
Stumpjumperシリーズのアイコンともいえるトップチューブとシートチューブを繋ぐ左右非対称のサポートアームデザインは受け継ぎつつ、フロントフォークを従来の150mmから160mmトラベルへとロングストローク化(※S1サイズは150mmトラベル)。Rxトレイルチューンが施された150mmストロークのリアユニットと合わせ、大きなドロップオフでもボトムアウトすることのない大きなキャパシティを確保した。

新型EVOのサスペンション特性は、エンデューロバイクとして高い評価を得たEnduroのプログレッシブアプローチに由来するチューニングがなされている。小さなバンプに対する反応性や中間域での踏ん張り、ジャンプからの着地のような大きな衝撃に対する制御された挙動といった、トレイルライドで重視される動きを実現している。

レバレッジカーブ(左)とアクスル軌道(右)のグラフ 赤線が新型Stumpjumper EVO、灰色の線がEnduroを示しているレバレッジカーブ(左)とアクスル軌道(右)のグラフ 赤線が新型Stumpjumper EVO、灰色の線がEnduroを示している (c)スペシャライズド・ジャパン
また、リアアクスルの軌道もEnduroから受け継いだもの。ストローク初期ではリアホイールが後方へと動くことで、障害物に引っかからずスピードを殺すことなく走り続けることを可能とした。さらに、メインピボットが上へと引き上げられ、アンチスクワットを増加させることでペダリング効率も向上させている。

そして、新型Stumpjumper EVOの最も大きな特徴として挙げられるのが、豊富なジオメトリー調整機構だろう。究極のトレイルバイクを作り上げるというテーマは、つまりどんな地形でもどんな走り方にも対応するということ。その理想を実現するため、スペシャライズドが用意したのは、3種類のヘッドアングルと、2種類のBBハイト、計6つの組み合わせからジオメトリーを選択できる調整機能だ。

チェーンステーに設けられたフリップチップを反転させることでBBハイトを調整可能チェーンステーに設けられたフリップチップを反転させることでBBハイトを調整可能 (c)スペシャライズド・ジャパン
チェーンステーのホルストリンクに設けられたフリップチップを反転することで、BBハイトをHighとLowの2ポジションから選択できる一方、ヘッドアングルは、偏心したヘッドセットカップを用いることで1°刻みで3段階に調整可能。BBが高いポジションではヘッドアングル63.5°~65.5°、低いポジションでは63°~65°の範囲でコースに合わせて設定できる。

また、ダウンヒルレースを発端として注目を集める前後異径ホイールのセッティングにも完全対応する。フロント29インチ、リアを27.5インチとすることで、走破性やスピードはそのままに、よりクイックなコーナーリングを可能とするマレットセッティングは、トレイルバイクの世界でも今後スタンダードとなる可能性のあるトレンドだ。なお27.5インチを装着する場合は、アフターマーケットのリンクを使用する必要がある。

トレイルヘッドへの登りも軽々とこなす新型Stumpjumper EVOトレイルヘッドへの登りも軽々とこなす新型Stumpjumper EVO (c)スペシャライズド・ジャパン
激しい下りセクションも難なくこなせるキャパシティーを手に入れた激しい下りセクションも難なくこなせるキャパシティーを手に入れた (c)スペシャライズド・ジャパン
スペシャライズド自慢のライダーファーストエンジニアードによって製作されたフレームは、全グレードでfact 11mカーボンを使用しており、非常に軽量に仕上げられる。リアショックやアクスル、シートクランプといったライドに必要となる全てのパーツを含めた状態で、S4サイズで2,750gという数字を実現した。

また、スペシャライズドが先鞭をつけたダウンチューブ内蔵ストレージシステムの"SWAT"は新型でも継続。容量を更に15%増加させ、より多くの用品を収納できるようになった。付属する専用設計ハイドレーションバッグ"SWAT Bladder"に22オンス(650ml)の飲み物を入れて持ち運ぶことも可能。いくつものトレイルをつなぐようなロングライドでも安心できる積載システムへと進化した。

スペシャライズド S-Works Stumpjumper EVOスペシャライズド S-Works Stumpjumper EVO (c)スペシャライズド・ジャパン
スペシャライズド Stumpjumper EVO EXPERT スペシャライズド Stumpjumper EVO EXPERT (c)スペシャライズド・ジャパンスペシャライズド Stumpjumper EVO COMPスペシャライズド Stumpjumper EVO COMP (c)スペシャライズド・ジャパン


究極のトレイルバイクへと進化した新型Stumpjumper EVOは、スラム XX1 Eagle AXS仕様のS-WORKSグレードを筆頭に、スラム X01 Eagle仕様のEXPERT、シマノ SLX仕様のCOMPという3種の完成車での展開。また、S-Worksグレードのフレームセットも用意されている。サイズはS1~S4まで。価格はS-Worksの完成車が1,155,000円、EXPERTが605,000円、COMPが495,000円、フレームセットが363,000円(全て税込)。

スペシャライズド Stumpjumper EVOラインアップ
コンポーネント フロントフォーク リアショック 税込価格
S-Works Stumpjumper EVO スラム XX1 Eagle AXS FOX FLOAT 36 Factory FOX FLOAT DPX2 Factory 1,155,000円
Stumpjumper EVO Expert スラム X01 Eagle FOX FLOAT 36 Performance Elite FOX FLOAT DPX2 Performance Elite 605,000円
Stumpjumper EVO Comp シマノ SLX FOX FLOAT 36 Rhythm FOX FLOAT DPX2 Performance 495,000円
S-Works フレームセット - - FOX FLOAT DPX2 Factory 363,000円

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