パリ〜ルーベを制したエリーザ・ロンゴボルギーニが使用し話題となったトレックの新型DOMANEがついにベールを脱いだ。荒れた石畳を最速で駆け抜けたエンデュランスロードは、新型ISO SPEEDの採用などにより300gのダイエットを実現し、DOMANE史上最軽量のバイクに仕上がった。



トレック Domane SLR9トレック Domane SLR9 (c)トレック
2022年のパリ〜ルーベ女子でエリーザ・ロンゴボルギーニが使用し優勝を果たしたことで既に話題となっており、正式発表が心待ちにされていたトレックの新型DOMANE。ツール・ド・フランス直前にデビューしたエアロロードのMADONEに続き、DOMANEも2022年の発表となり、トレックのロード中心モデルが1年に2台も代替わりを果たすことに。

第4世代となったDOMANEの最大の特徴は、エンデュランスロードとして各世代で追求してきた快適性を維持しながら、DOMANE史上最軽量を実現したこと。さらにエアロダイナミクスを加えることで、パリ〜ルーベを制したことで証明されたハイパフォーマンスロードバイクとしての性能を身につけている。

非調整式となったが、快適性を維持しながらも軽量化を実現した新型ISO SPEED非調整式となったが、快適性を維持しながらも軽量化を実現した新型ISO SPEED (c)トレック
軽量化のカギとなったのは衝撃吸収システムのISO SPEEDを大幅に見直したこと。先代ではヘッドチューブにもISO SPEEDを搭載していたが、今作では省略。リアもシンプルな小型ユニット(非調整式)に置き換えることで、荒れた石畳を難なく走破できる衝撃吸収性を備えながらも、最高峰カーボンのOCLV800を新たに採用したSLRグレード、ミドルグレードのSL共に先代よりも300gのダイエットを実現している。

さらにトレックが誇るカムテールチューブ形状のKVFチュービングとステム一体型ハンドルバーを採用。ブレーキホースの内装方法がステアリングコラム後方から前方に変更されることでケーブル類の露出が少なくなっており、トレック史上最速となるエアロダイナミクスを獲得した。これらの新機軸によって新型DOMANEで獲得した"速さ"は、ロンゴボルギーニのパリ〜ルーベ制覇によって既に証明されている。

KVFと呼ばれるカムテールデザインとなったチューブ形状KVFと呼ばれるカムテールデザインとなったチューブ形状 (c)トレック
ラインアップされるのは、ロンゴボルギーニと共にパリ~ルーベを制したRace Shop Limited(RSL)モデル、そして、SLRとSLという計3つのモデル。ライバルよりもコンマ1秒でも速く走るために設計を研ぎ澄ませたRSLに対し、普段のライドで速く、快適に走りたい時に味方となってくれるのがSLR/SLモデルであり、DOMANEの中核となるのもこちらの2車種だと言える。

SLR/SLグレードの特徴の一つがタイヤクリアランス38mmまでに対応し、ちょっとしたグラベル程度であればDOMANEで楽しめるようになっていること。グラベルも気になるが、ロードも捨てがたいという方には、フィットするはずだ。

SLR、SLグレードにはダウンチューブ内蔵ストレージが用意されているSLR、SLグレードにはダウンチューブ内蔵ストレージが用意されている
また、SLRとSLグレードはトップチューブのストレージマウント、ダウンチューブ内蔵のストレージ、フェンダーマウントが装備されていることも特徴。普段のサイクリングでは予備チューブや携帯工具、携帯電話、財布などを持ち運ぶことが常であり、それらを収納できる場所が予め用意されているのはユーザーフレンドリーと言えよう。

トレック Domane SLR7(Metallic Red Smoke to Red Carbon)トレック Domane SLR7(Metallic Red Smoke to Red Carbon) (c)トレック
トレック Domane SLR7(Juniper)トレック Domane SLR7(Juniper) (c)トレックトレック Domane SLR7(Deep Smoke)トレック Domane SLR7(Deep Smoke) (c)トレック


SLRグレードの完成車は初回入荷分のみで、それ以降はProject ONEでの展開となる。完成車はシマノDURA-ACE DI2完成車のSLR9(1,593,900円)、シマノULTEGRA DI2完成車のSLR7(1,183,600円)、シマノ105 DI2完成車のSLR6(1,072,500円)の3種類。

SLグレードはスラムRival完成車のSL6 eTAP(603,900円)、シマノ105 DI2完成車のSL6(579,700円)、シマノ105(R7000系、機械式)完成車のSL5(447,700円)の3種類だ。

トレック Domane SL5(Mercury)トレック Domane SL5(Mercury) (c)トレック
トレック Domane SL6(Hex Blue)トレック Domane SL6(Hex Blue) (c)トレックトレック Domane SL6 eTap(Crimson)トレック Domane SL6 eTap(Crimson) (c)トレック


バーサタイルなオールロード寄りの位置づけとなるSLR/SLグレードに対し、エンデュランスレーサーとしての性格を色濃くしたのがRace Shop Limited(RSL)モデルだ。OCLV800カーボンの使用はもちろんのこと、SLRやSLシリーズに用意されたトップチューブマウント、ダウンチューブストレージやフェンダーマウントを省略し、SLRよりも100g軽量なバイクに仕上げられている。

また、RSLではH1.5フィット(深い前傾姿勢が取れるジオメトリー)、タイヤクリアランス35mmまでまでというレース向けの設計が与えられていることも特徴だ。こちらはProjectOneのフレームセットのみでの展開となる。(受注開始未定)

パリ〜ルーベで投入された新型DOMANE。ゼッケン1番は昨年覇者のエリザ・バルサモパリ〜ルーベで投入された新型DOMANE。ゼッケン1番は昨年覇者のエリザ・バルサモ (c)トレック
新型DOMANEを駆り独走するエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)新型DOMANEを駆り独走するエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos

トレック 新型DOMANE 完成車スペック
モデル名 フレーム フォーク コンポーネント ホイール 税込価格
Domane SLR 9 800 Series OCLV Carbon Domane SLR carbon Shimano Dura-Ace R9250 Di2 Bontrager Aeolus RSL 37 1,593,900円
Domane SLR 7 800 Series OCLV Carbon Domane SLR carbon Shimano Ultegra R8150 Di2 Bontrager Aeolus Pro 37 1,183,600円
Domane SLR 6 800 Series OCLV Carbon Domane SLR carbon Shimano R7150 Di2 Bontrager Aeolus Pro 37 1,072,500円
Domane SL 6 eTap 500 Series OCLV Carbon Domane SL carbon SRAM Rival eTap AXS Bontrager Paradigm Comp 25 603,900円
Domane SL 6 500 Series OCLV Carbon Domane SL carbon Shimano R7150 Di2 Bontrager Paradigm Comp 25 579,700円
Domane SL 5 500 Series OCLV Carbon Domane SL carbon Shimano 105 R7000 Bontrager Paradigm SL 447,700円
※RSLおよびSLRのカスタムオーダープログラムProjectOneでの受注開始日は未定(2022年9月現在)
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