グロータックが推し進める手組みホイール　EQUALディスクハブが登場

機械式ディスクブレーキEQUAL BRAKEで注目を集めるグロータックが、カーボンリムに続きオリジナルのディスクブレーキ用ハブをリリースした。優れた回転性能だけではなく、扱いやすさやメンテナンス性なども考慮したオリジナルモデルを紹介しよう。

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機械式ディスクブレーキEQUAL BRAKEで注目を集めるグロータック。日本国内で研究開発を行い、独自の視点から日本のユーザーに必要なものを具現化することを得意としており、ローラー台や先述したEQUAL BRAKE、現在開発中のマルチユース・デュアルコントロールレバーなどを手掛けている。

そんなグロータックが現在推し進めるのは手組みホイールだ。手組みというのはリム、スポーク、ハブそれぞれ別のパーツを好みや使用用途に合わせて選定して組み上げるホイールのことを指し、工場などで予め組み上げられた状態で出荷される完組ホイールと対をなすホイールのことを言う。

現在プロショップで並ぶホイールのほとんどが完組ホイールであり、それぞれのブランドがリム、スポーク、ハブまで独自開発を行い高い性能を実現したプロダクトとしてユーザーは手に取ることができる。対する手組みホイールだが、レースで勝利することを目的とした技術の結晶とも言える完組ホイールよりは性能が劣るが、美点はそこにはない。ハブ、スポーク、リムを一つずつ選定することによるカスタム性の高さが魅力だ。

特徴があるそれぞれのパーツの組み合わせ次第で、ライダーの目的や好み、走るシチュエーションに適合させることができ、ライダーの使い方にあったホイールを実現することができ、ライダーファーストの考えでホイールを誂えられる。そして専用品ではなく規格化されたパーツを使うため、トラブルやメンテナンスにも対応しやすいのも光る部分。

グロータックのイコールでは機材選択の自由をユーザーに提供するべく製品の開発が行われている。ディスクブレーキキャリパー、カーボンリムに次いで発表されたのは、ホイールの構成要素であるハブだ。イコールで目指したのはメンテナンス性が良く、長く性能が発揮されること。

ベアリングの構成はハブ本体に2つ、フリーボディに2つ、フロントハブに2つという一般的な構成に。ベアリングサイズは可能な限り大きな6902サイズを採用しており、アセンブルされるベアリング自体は中国メーカーによるもの。これはコストとパフォーマンスを考慮した結果であり、消耗品だからこその判断だという。

ベアリングに掛ける与圧はバネによる弾性体方式を採用した。他にもネジ式や部品寸法方式なども存在するが、スルーアクスルの締め付け力やフレームの変形を念頭に置いた上で性能が発揮されながらも、メンテナンス性が優れる弾性体方式を取り入れた。これによって予測不可能な外力に対して与圧が自動的に調整されるため、常にハブの回転性能が維持される。

ベアリングのラビリングもグロータックが丁寧に設計を行なった。ベアリングの側面にステンレスのシールリングを配置し、ベアリングとシールリングの間にグリスを充填することで水分や異物の侵入を防ぐ。グリスが回転部分に触れているため回転性能が気になる場合は防水防塵性能の低下を飲み込めばグリスレスで使うことも可能。対して、雨天などでも使う場合は粘度の高いグリスを充填するのもありだ。

フリーボディはシマノHG、スラムXD/XDR、カンパニョーロに対応し、HGのみフリーボディに噛み込み対策の鉄製プレートが仕込まれている。ラチェットシステムは伝統的な三爪方式を採用しており、性能やメンテナンス性の点においてスターラチェット（面ラチェット）ではない選択を採っている。

シャフト構造においても多くのハブがキャップ方式とする中で、イコールではキャップレスの一体型シャフトとネジ式のナットキャップ構造を採用している。これは大型化が進むスプロケットの重量に対する設計と、シャフトエンド部の剛性を求めた結果だ。ネジ式の場合はハブスパナが必要となるがイコールでは4mmと3mmのレンチを使用すれば作業ができるため、メンテナンス性も犠牲にされていない。

また、スポーク長に関してもグロータックらしい配慮が行き届いている。剛性に影響を与えるスポークテンションの差を少なくするためにフランジ幅とオチョコ量を調整。さらにイコールのリムのようなオフセットしたモデルを使うことで、スポークテンションの差を小さくすることができ剛性を確保する。これによってスポーク切れのリスクも低減している。

カラーラインアップはブルー、レッド、ゴールド、シルバー、グレー、ブラックという6種類。ディスクブレーキキャリパーとの色合わせにも丁度良さそうだ。価格はフロント16,280円（税込）、リア27,500円（税込）だ。手組みホイールのため信頼できるプロショップで組み上げれば、自分好みの車輪を手に入れることができるだろう。

ハブ単体だけではなく、ホイールキットとしてイコールカーボンリム、ディスクハブ、スポーク、ニップルをセットとしたキット販売も行われる。こちらは販売店向けに用意されているもので、ユーザーはグロータックが用意したパーツから好みのものを選択して、販売店にオーダーすると言う流れだ。

他にも組み上げ済みホイールをグロータックの公式WEBショップにて販売する。こちらは受注生産で、納期は1ヶ月〜2ヶ月を見込んでいる。現在販売時期は調整中で、ラインアップはサピムのCX-RAY組かサピムRACE組が予定されている。

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グロータック EQUALディスクハブ
アクスル：径12mm
エンド幅：フロント100mm、リア142mm
重量：フロント125g、リア223g
スポークホール数：24H
フリーボディ：シマノHG（アンチバイト）、スラムXD-XDR、カンパニョーロ（~12速）※シマノ以外は後日発売
ブレーキローター固定方式：センターロック
カラー：ブルー、レッド、ゴールド、シルバー、グレー、ブラック
税込価格：フロント16,280円、リア27,500円

ホイールキット
リム：EQUAL カーボンリム：各種（24h仕様）・前後別リム可
ハブ：EQUAL ディスクハブ：ブルー・レッド・ゴールド・シルバー・グレー・ブラック
スポーク：SAPIM CX-RAY（エアロスポーク）：ブラック・シルバー、SAPIM RACE（ダブルバデッドスポーク）：シルバー
ニップル：SAPIM アルミニップル Secure Lock：ブラック・シルバー・レッド・ブルー・グリーン・オレンジ・ゴールド・パープル