シクロクロス世界選手権男子U23レースで、オランダのティボー・デルグロッソが昨年2位のリベンジ達成。鈴木来人(OnebyESU-ICV)は42位、トラブルで順位を落とした柚木伸元(日本大学)は52位で共に完走を果たした。



鈴木来人(OnebyESU-ICV)と柚木伸元(日本大学)がスタートを待つ photo:Nobuhiko Tanabe

オランダ勢が先頭を固めてダッシュ。この直後に集団落車が発生した photo:CorVos

シクロクロス世界選手権2日目の第2レースは、次世代を担う男子選手ナンバーワンを決めるU23カテゴリー。2年連続出場となる柚木伸元(日本大学)、そして鈴木来人(OnebyESU-ICV)を含む21カ国57名の若き選手たちがグリーンシグナルと共に1周3.3kmの特設コースへと駆け出した。

ベルギーとオランダ、そしてフランスがスプリントしながら飛び込んだ第1コーナーでは早くも大落車が発生する。3番手の選手のスリップダウンを発端とした落車によって多数の選手が足止めを食らい、その隙に柚木は一気に15番手付近までジャンプアップに成功する。一方鈴木は完全にストップを余儀なくされ後方からの追い上げを強いられた。

しかし「いいペースすぎる(本人談)」前方集団で走った柚木は直後に痛恨のチェーン落ちを喫してしまう。すぐにレース復帰した柚木だったが、ペースを取り戻すことはできずに後退。日の丸を背負い戦った2人のうち、鈴木が7分40秒遅れの42位、柚木が10分27秒遅れの52位でフルラップ完走にこぎつけている。

積極的にレースを引っ張るティボー・デルグロッソ(オランダ)。2周目から独走を開始した photo:CorVos

最終ラップに突入する鈴木来人(OnebyESU-ICV)。42位でフィニッシュした photo:Nobuhiko Tanabe

メカトラブルでペースを失った柚木伸元(日本大学)は52位完走 photo:Nobuhiko Tanabe

ベルギーvsオランダの一騎打ちと目されたこの男子U23レースで、先手を打ったのはオランダのティボー・デルグロッソだった。「そもそもタフなレイアウトなのに、泥によって更にキツいコンディションになった」と振り返るデルグロッソは、2周目前半のパワー区間でリードを奪って独走態勢へ。後続ではベルギーのイェンテ・ミヒェルスとエミエル・フェルストリンゲが協力態勢を組んで追いかけたものの、デルグロッソとの差は開くばかりだった。

今年は既にワールドカップのエリートレースでトップ10入りし、同U23カテゴリーで総合優勝を果たすなど、カテゴリー屈指の実力を誇るデルグロッソが勝利した。1年前ティボー・ネイス(ベルギー)に破れた悔しさを晴らすと共に、ここ2年ベルギーに奪われていたアルカンシエルを、3年ぶりにオランダへと取り戻すことに成功している。

昨年2位のリベンジを達成したティボー・デルグロッソ(オランダ) photo:CorVos

1位ティボー・デルグロッソ(オランダ)、2位エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー)、イェンテ・ミヒェルス(ベルギー) photo:CorVos

「勝利を確信できたのは最後の半周だった。それでも路面が柔らかく石が露出していたので最後の最後まで気を抜けなかった。本当に苦しい戦いだったよ」と言うデルグロッソ。2番手グループはフェルストリンゲ、ミヒェルスの順で入り、ミヒェルスは「ティボーに引き離されてからの2周回は必死に追いかけたけど、もう限界だった。シーズン全体を通して見ても彼はチャンピオンにふさわしい」と、勝者を讃えている。

フルラップ完走を果たした鈴木と柚木のコメントは追って掲載します。

シクロクロス世界選手権2023-2024 男子U23結果
1位 ティボー・デルグロッソ(オランダ) 52:02
2位 エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー) +0:27
3位 イェンテ・ミヒェルス(ベルギー)
4位 レオ・ビシオー(フランス) +1:13
5位 レミ・ルランダ(フランス) +1:28
42位 鈴木来人(OnebyESU-ICV) +7:40
52位 柚木伸元(日本大学) +10:27
Text:So.Isobe
Photo:Nobuhiko.Tanabe, CorVos