シクロクロス世界選手権男子ジュニアで、イタリアが同大会2005年以来となるアルカンシエルを獲得。成田光志(学校法人石川高等学校)は48位、野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)は57位で共に大きな課題を持ち帰ることになった。



成田光志(学校法人石川高等学校)と野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)がスタートを待つ Photo:Nobuhiko.Tanabe

シクロクロス世界選手権最終日の第1種目は男子ジュニアレース。午前11時、3.3kmコースに向けて野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)と成田光志(学校法人石川高等学校)を含む21カ国74名のジュニア選手たちがダッシュを決めた。

小雨によってやや緩んだパワーコース。登坂区間に設置されたシケインは未だバニーホップできるコンディションになく、前日に続いてランニング要素多めのレースが続く。UCIワールドカップの同カテゴリーを席巻した優勝候補筆頭のステファノ・ヴィエッツィ(イタリア)を含む先頭グループには地元チェコのクリストフ・バジャントが加わり、一気に会場のボルテージは最高潮に達した。

登坂区間をこなす成田光志(学校法人石川高等学校)と野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo:Nobuhiko.Tanabe

ジュニア最強選手、ステファノ・ヴィエッツィ(イタリア)が世界タイトルを獲得 Photo:CorVos

合計4周回の後半戦で、ヴィエッツィは金曜日チームリレーの最終スプリントでキャメロン・メイソン(イギリス)を下したオーバン・スパルフェル(フランス)を千切り、そのままフィニッシュへ。脚を使い切ったスパルフェルはなす術なくメダル圏外へと脱落し、代わってバジャントとカイイェ・ソーレン(オランダ)が銀メダル争いに浮上した。

イタリアチームにとって、ヴィエッツィのシクロクロス世界選手権での優勝は2005年のダヴィデ・マラカルネ(男子ジュニア)以来19年ぶりのこと。2位銀メダルはソーレン、3位銅メダルはバジャントが確保し、開催国チェコに今大会初のメダルをもたらしている。

1位ステファノ・ヴィエッツィ(イタリア)、2位カイイェ・ソーレン(オランダ)、3位クリストフ・バジャント(チェコ) Photo:CorVos

グループ内でレースを進める成田光志(学校法人石川高等学校) Photo:Nobuhiko.Tanabe

「悔しい」と振り返る野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo:Nobuhiko.Tanabe

成田光志(学校法人石川高等学校)と野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム)がそれぞれ48位と57位で、初の世界選手権をフルラップ完走。成田は「周りの選手たちのパワーが全く違う。もっと力を付けてこの舞台で戦いたい」、野嵜は「悔しいし、自転車に乗ってきた中で初めて絶望感を感じた」と、それぞれが越えるべき大きな課題を実感しているという。

2人のコメントは別記事で紹介します。

シクロクロス世界選手権2023-2024 男子ジュニア結果
1位 ステファノ・ヴィエッツィ(イタリア) 42:01
2位 カイイェ・ソーレン(オランダ) +0:09
3位 クリストフ・バジャント(チェコ) +0:31
4位 オーバン・スパルフェル(フランス) +0:48
5位 アルベルト・フィリプセン(デンマーク) +1:02
48位 成田光志(学校法人石川高等学校) +6:45
57位 野嵜然新(桐光学園高等学校/弱虫ペダルサイクリングチーム) +7:39
Text:So.Isobe
Photo:Nobuhiko.Tanabe, CorVos