UCI(国際自転車競技連合)は2月8日、昨年11月の競技外ドーピング検査で採取されたアントワン・トールク(オランダ)の検体からステロイドの一種が検出されたと発表。同選手は今年リドル・トレックからポルトガルのコンチネンタルチームに移籍した。



アントワン・トールク(オランダ) photo:Satoru Kato

アントワン・トールク(オランダ)の検体から問題の物質が検出されたのは、ITA(インターナショナル・テスト・エージェンシー)が2023年11月27日に行った競技外ドーピング検査。UCIによるとトールクのAサンプルから、筋肉増強剤であるアナボリック・アンドロジェニック・ステロイド(蛋白質同化男性化ステロイド)が検出された。同物質はUCIはもちろん、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止物質に記載されている。

現在UCIアンチドーピング規則に従い暫定的な出場停止処分が下されているトールクには、Bサンプルの分析を要求する権利がある。

現在29歳のトールク(トルホークとも表記される)は元スピードスケートの選手で、2016年にプロデビュー。2017年に加入したロットNLユンボ(現ヴィスマ・リースアバイク)ではクライマーとして3大ツール(ジロ、ツール、ブエルタ)に出場し、2019年のツール・ド・スイスでは区間優勝を飾った。またジャパンカップでは2017年に4位、2018年には2位に入っている。

その後トレック・セガフレード(現リドル・トレック)で2年走ったトールクは、今年ポルトガルのコンチネンタルチームであるサブガル・アニコロルに移籍。2月4日に行われたポルトガルのレースで今季初戦を迎えていた。

トールクはロットNLユンボに所属していた2017年、トレーニング合宿中にチーム医師から処方されたものではない睡眠導入剤の使用が発覚。ドーピング規則に反する違反ではないものの、チームから2ヶ月の出場停止処分が与えられた過去がある。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)