ベルギーに拠点を構えるヘルメットブランドのレイザーが、オールラウンドヘルメット"Z1 KC AF"をリリース。衝撃吸収システムKinetiCoreを採用した安全性に優れるレーシングヘルメットをインプレッションしていく。



レイザー Z1 KC AF(ホワイト) photo:Michinari TAKAGI

1919年に創業したベルギーのヘルメットブランド、レイザー。これまで多くのUCIワールドツアーチームをサポートし、チームと共同開発を進め、エアロ性能や安全性能に優れたヘルメットを多くラインアップしている。

今回新たにレイザーのヘルメットラインアップに新たに加わったのが、オールラウンドヘルメットである「レイザー Z1 KinetiCore AF」。モデル名にある「KinetiCore」とは、EPSフォームのインナーシェルの一部をクランプルゾーンと呼ばれる凹凸ブロック形状とする技術。落車により頭に衝撃を受けた時にクランプルゾーンが潰れることで、サイクリストの脳に到達するエネルギーを緩和する衝撃吸収システムだ。

インナーシェルの一部をクランプルゾーンと呼ばれる凹凸ブロック形状とし、回転衝撃への対応力を高めている photo:Michinari TAKAGI

前面にはオールラウンドモデルらしくベンチレーションホールを多く配置 photo:Michinari TAKAGI

従来のEPSフォームと異なるのが、クランプルゾーンは垂直方向だけでなく斜めや横方向からの衝撃でも潰れるように設計されている点。この設計により、脳震盪を引き起こす回転衝撃からの安全性を高めた。

そのため客観的な評価としても、多くのヘルメットの安全性をテストしているバージニア工科大学の試験において、Z1 KinetiCoreは最高ランクの5つ星を獲得している。

さらに、クランプルゾーンはシェルとの間に空間をもたらすことで通気性の向上にも寄与している。効果的に配置されたベンチレーションホールや傾斜したブリッジデザイン、そして帽体と頭部の間に空間があくフローティングヘッドバンドの採用と合わせ、優れた空力性能と通気性能を実現したオールラウンドヘルメットだ。

傾斜したブリッジを配置 photo:Michinari TAKAGI

後頭部にダイヤルがない分、スッキリとした見た目に photo:Michinari TAKAGI

フィッティングシステムはレイザーのアイデンティティである"Advanced RollSys"を採用している。ヘルメット上部に備えられたダイヤルを回すことで帽体に巡らされたケーブルを巻き取り、均一に頭部を包み込むシステムで、高いフィット感が特徴となっている。Z1 KCではダイヤル位置が後ろに配置され、操作性も向上した。

またサングラスポートなど、サイクリストが必要とする機能も兼ね備える。サイズはS(52-56cm)とM(55-59cm)、L(58-61cm)の3サイズ展開。重量はSサイズで240g、Mサイズで230g、Lサイズで280gとなっている。

レイザーのアイデンティティであるAdvanced RollSysを採用 photo:Michinari TAKAGI

JCF公認のヘルメットである photo:Michinari TAKAGI

カラーはマットブラック、コズミックブルー、ハーバーグレー、ホワイト、チタニウム、メタリックレッドの6種類が用意される。価格は31,460円(税込み)で、取り扱いはシマノセールスだ。それでは製品インプレッションに移っていこう。



―編集部インプレッション

レイザー Z1 KC AFをCW編集部員の高木がインプレッションしていく photo:Gakuto Fujiwara

テストを担当するCW編集部員の高木は、アジアンフィットのヘルメットが合う丸型頭の持ち主だ。カスクやケープラス、スペシャライズドなどいずれのブランドもMサイズが合う。以前試したVentoやStradaと同じく、Z1 KC AFでもMサイズを借り受けた。

帽体の形状はアジアンフィットで丸形頭の自分にもフィットしている。シェル後部に搭載されたレイザーならではの"Advanced RollSys"のダイヤル部は凹凸ディテールが施され、操作性に優れている。冬場のテストとなり、厚手のグローブを着用した状態でも、走りながら調整可能な操作性は好印象だった。

凹凸ディティールで操作性に優れている photo:Gakuto Fujiwara

最近のロードバイクはエアロ化に伴い平均時速も速くなり、落車による衝撃も大きくなっていると考えられる。そうなってくるとレーサーのヘルメットを選ぶ基準は、エアロ性能や通気性だけでなく、必然的に安全性の比重が大きくなってくる。

シェル内部に凹凸を設けるKinetiCoreを搭載しているため、フィット感は気になるところだった。実際に着用してみたが、被り心地はスタンダードなヘルメットと変わらないことに驚いた。それでいて安全性が強化されているのは良い点だ。

ライド中はヘルメット内部を空気が駆け抜けていくため、常に快適だった photo:Gakuto Fujiwara

Advanced RollSysにより後頭部にアジャスターがないため、後部がすっきりしているため快適さを感じた。他にもポニーテールにしていてもヘルメットを被りやすいといったメリットもありそうだ。

走り出してみると前面とフローティングフロントヘッドバンドから入り込んだ空気を感じることができた。さらに、KinetiCoreの凹凸の隙間にも風が駆け抜けてくるため、ヘルメット内部の熱気をしっかりと排出してくれることが実感できた。

エアロ性能にも優れているオールラウンドヘルメット photo:Gakuto Fujiwara

サングラスポートもあり、ヒルクライム中や休憩時に便利だ photo:Gakuto Fujiwara

局所的ではなく全体的に空気が入ってくる印象で、ヘルメット内部が常に快適に保たれ、速度域の低いヒルクライムやゆっくりとしたサイクリングなどにも適しているように感じた。一方で、40km/h巡航でも頭が後ろに引っ張られるような感覚はなく、オールラウンドモデルとしてはエアロ性能にも長けているよう印象を受けた。

ヘルメットの前面にはアイウェアドッキングポートも搭載されている。湿度が高い時期のヒルクライムや暗いトンネルに差し掛かる時、カフェやコンビニに立ち寄る時にしっかりとアイウェアをホールドしてくれる点も好印象。

レイザー ユニバーサルレーザーLED photo:Michinari TAKAGI

ヘルメット後部にユニバーサルレーザーLEDを搭載できる photo:Gakuto Fujiwara

ヘルメット後部にユニバーサルレーザーLEDを搭載できるのも嬉しい。取り付け自体も非常に簡単で、ヘルメット後部に設けられたアダプターにユニバーサルレーザーLEDを差し込み、捻るだけで簡単に取付完了だ。

車のドライバーから視認してもらいやすい高い位置にライトを取り付けられ、安全性や被視認性を高められるのは、通勤で毎日自転車に乗っている身からすると非常にありがたい。

ワンタッチで操作できる photo:Gakuto Fujiwara

車のドライバーから視認してもらいやすい高い位置にライトを取り付けられ、被視認性を高められる photo:Gakuto Fujiwara

レーサーに必要なエアロ性能と快適さに加え、安全性能に優れたZ1 KC AFは、全てのサイクリストにおすすめしたいと思えるオールラウンドヘルメットだった。



レイザー Z1 KC AF
サイズ:S(52-56cm)、M(55-59cm)、L(58-61cm)
重量:S(240g)/M(230g)/L(280g)
カラー:マットブラック、コズミックブルー、ハーバーグレイ、ホワイト、チタニウム、メタリックレッド
価格:31,460円(税込)

ユニバーサルLED
価格:4,290円(税込)

photo:Gakuto Fujiwara &Michinari TAKAGI
text:Michinari TAKAGI

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