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カブトが今夏ローンチした待望の軽量ヘルメット"FLEX-AIR"に迫る特集の第2弾。今回はカブトのサポートチームであるマトリックスパワータグに所属する小林海に使用感を伺った。国内随一の実力を誇り、常に優勝候補に挙げられるプロレーサーがFLEX-AIRの実力に迫る。

インプレライダープロフィール:小林海(こばやし・まりの)

カブトのヘルメットを長年被り続ける小林海(マトリックスパワータグ) photo:Nobuhiko Tanabe

2016年にU23の全日本選手権を制覇し、プロコンチネンタルチームのNIPPOヴィーニファンティーニに加入。2019年にジョッティ・ヴィクトリア(CT)に移籍し、2020年まで海外レースを転戦。2021年から現在までマトリックス・パワータグにてレースに参戦中。国内外のレースで活躍を続けており、その存在感は随一。

プロとして活動を始めてから7シーズン目に入る今年を含めて約5シーズンはカブトのヘルメットを着用し続けている。NIPPO時代は当時一世を風靡したAERO-R1を中心に、その後はIZANAGIを愛用している。

インプレッション

「軽くて、通気性が良い。FLEX-AIRを選ばない理由はない」小林海

カブトのヘルメットを使い続けている小林海(マトリックスパワータグ)がFLEX-AIRを語る photo:Nobuhiko Tanabe

―小林選手はFLEX-AIRのプロモーションイメージに起用されていて、今新型に最も馴染みのあるライダーだと思いますが、実際に新型ヘルメットを着用した時の印象はどのようなものだったのでしょうか。

小林:FLEX-AIRのプロモーション素材の撮影の前に、実は今年初めのチーム合宿でプロトタイプを試していたんですよ。その時から細かい仕様が変わっていますが、フローティングパッドを見た時に「何だこれは!」となったのを覚えています(笑)。

これまで無かったような作りだったので、チームメートと驚きながら試したんですけど、パッドが頭に干渉しないし、違和感もないし、このパッドによる通気性の良さは強く感じました。

「最初見た時はなんだこれと思いましたが、被ってみると通気性もいいしフィットもよく、気に入りました」小林海(マトリックスパワータグ) photo:Nobuhiko Tanabe

僕は額から大量に汗をかくタイプなので、レース中に汗がサングラスに垂れてくることがあるんですよ。それが非常にストレスになるので長い山岳コースではそれを避けるためにサングラスを敢えて着用していません。もちろん必要であればサングラスを装着して走りますし、不快に感じたらサングラスを一旦外すということはあります。ただ、つけ外しを繰り返すこともストレスですし、額部分は可能な限り快適な状態にしておき、サングラスに汗が垂れるのを防ぎたいという気持ちがあります。

その点においてFLEX-AIRは額部分にも熱がこもりにくく、走っていて不快感がありません。そこの通気性の良さは間違いなくあります。快適性に関してはIZANAGIに匹敵する性能があるので優劣をはっきりとつけるのは難しいです。IZANAGIは練習で頭が暑いと感じたことがなかったので、FLEX-AIRも同じようにヘルメット内に熱がこもって不快に感じることはないでしょう。

FLEX-AIRは極限な状況でもアドバンテージを得られるヘルメットと小林海(マトリックスパワータグ)は言う photo:Nobuhiko Tanabe

その快適性の高さに快適さに軽さが加わっていることがFLEX-AIRの魅力だと思います。僕は登りが大事な選手なので、重要なレースでは体重を絞って臨みますし、身につける物の重量も気をつけています。もし身につける物の重量に妥協した結果で積もりに積もって100gも重量増になってしまったら元も子もありませんから。FLEX-AIRのように重量の数値が小さいことは間違いなくアドバンテージです。

これまで使ってきたIZANAGIは通気性がとても良かったけど、同じような快適さがありながら軽さに勝るのであれば、FLEX-AIRを選ばない理由はありません。それくらい気に入りましたし、次の新モデルが出るまではこれを使い続けるんだろうな、と思います。

「身につける物は着用感すら感じないものが好みなんですけど、FLEX-AIRはまさにそれです」小林海(マトリックスパワータグ photo:Nobuhiko Tanabe

―通気性や軽さによるアドバンテージの他に魅力を感じる部分はありますか。

小林:FLEX-AIRの何が良いのかと言うと、いい意味で存在感が薄いところです。例えば物として性能に優れていても、走っている最中に身につけている物の存在に気を取られてしまうことにストレスを感じます。だから僕はバイクや身につける物全てに自然に馴染む良さを求めていて、着用している時に存在感含め何も感じないFLEX-AIRは気持ちが楽なんですよね。

―いい意味で存在感がないということでしたが、低速で登っている時や、高速で走っている時などどのようなシチュエーションでも同じ感覚はありますか。

小林:はい。FLEX-AIRはライドの休憩で停車中もヘルメットを外す必要の無いくらい熱が逃げていきますし、ヘルメットの重量バランスも整えられているので首を動かした時の違和感はなく、長時間の着用でもストレスになりません。ずっと着用し続けられるヘルメットですよ。AERO-R2も信頼感は高いですが、僕は着用中にヘルメットの存在を感じてしまうというのが正直なところなので、多くのレースはFLEX-AIRを選ぶことになると思います。もちろん普段からR2を使い続ける選手もいるので、好みの範疇の話だとは思いますけどね。

「KBF-2アジャスターのフィット感は高くて、自然な着用感がある」小林海(マトリックスパワータグ) photo:Nobuhiko Tanabe

―近年のカブトはクロージャーをBOAフィットシステムにしていますが、その感触はいかがでしょうか。

小林:ダイヤルを1ノッチ回すだけで緩くなりすぎたり、キツくなったりする通常のアジャスターより細かく調整することができるのでBOAフィットシステムには良い印象を持っています。ダイヤルだけではなくアジャスター全体が上下位置なども細かく調整できるように作られているので、その人に合ったフィット感を見つけやすいと思いますよ。実際にフィット感は外国人のライダーからも好評ですし、僕自身も横幅にちょっと余裕があると感じますが、しっかりと調整すればズレることもありません。

―極限状態まで追い込むプロ選手にとってのアドバンテージを備えているFLEX-AIRですが、それらの性能はホビーサイクリストにとってはどのようなアドバンテージがあると思いますか。

小林:通気性に関しては僕らプロ選手よりホビーサイクリストの方が大事にしてもらいたいと思います。プロは走行スピードが速いので風を強く受けるおかげで体や頭が冷えていますが、緩やかな速度で走る場合は風を受ける量は少なく、どんどん熱が蓄積されていってしまいます。日本の夏場は本当に暑いので、身につける物の通気性で熱中症のリスクは変わってくると思います。

通気性に優れるためロングライド派のサイクリストにもお勧めできると小林海(マトリックスパワータグ)は言う photo:Nobuhiko Tanabe

実際に僕も夏場の練習で平地はパワーが出ているけど、ヒルクライムは全くペダルを踏めなくて、普段よりパワーが出ないことがあります。平地では問題ないので体調が悪いわけではないので、走行スピードが遅く、風によって体が冷えにくい状況では体への影響が出ていると考えられます。

限界を知っているプロでも起こりうることなので、ホビーで乗っている方にとっては自分に起こっている苦しさが暑さによるものなのか、強度によるものなのかは気がつきにくいと思います。暑さにやられてしまう時はいきなり症状があらわれるので、予防という面においても身につける物はできる限り通気性に優れるものを選んでもらいたいです。

「僕が求めるできる限り軽くて涼しいヘルメットを実現している」小林海(マトリックスパワータグ) photo:Nobuhiko Tanabe

そういった意味合いで、FLEX-AIRはホビーライダーの方にも大きなメリットがありますよね。熱がこもらない、常に快適な通気性という要素は、単なる着用感に留まるものではなくて安全性能にも繋がっています。事故を起こさず家に帰ってくるためにも、選ぶ価値のある一着です。

提供:株式会社オージーケーカブト 制作:シクロワイアード
写真:田辺信彦 協力:小林海(マトリックスパワータグ)