123.8kmのショートステージで争われたツアー・オブ・ノルウェー2日目。イネオスの高速牽引によって選別された約20名によるスプリントをイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が制し、トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)がリーダージャージに袖を通した。



女子チームには與那嶺恵理も所属するヒューマンパワードヘルス女子チームには與那嶺恵理も所属するヒューマンパワードヘルス photo:CorVos
フィヨルドが美しい北欧ノルウェーを巡るツアー・オブ・ノルウェー(UCI.2.Pro)第2ステージは123.8kmのショートコース。ウルヴィックから39kmの平坦路を進み、1級山岳ディラナットの山頂を目指して28.5kmを登坂する。しかし平均勾配4.3%と緩斜面であることに加え、イェイロのフィニッシュまでは平坦路が続くためフィニッシュ予想は集団スプリントだ。

レース予想時間は僅か3時間前後と予想されたこの日、山岳賞ジャージを着るホーコン・オーラスト(ノルウェー、チームコープ)を含む4名が逃げを打つ。だが1級山岳ディラナットの登坂に入ると、イネオス・グレナディアーズが頂上に近づくにつれプロトン牽引の速度を上げたため、最大5分あったタイム差は一気に縮小した。

28.5kmに渡り登りが続く1級山岳ディラナット28.5kmに渡り登りが続く1級山岳ディラナット
1級山岳で早々と遅れていくアレクサンダー・クリストフ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)1級山岳で早々と遅れていくアレクサンダー・クリストフ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
頂上を前に逃げを吸収したメイン集団からは、アレクサンダー・クリストフ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)などのスプリンターが脱落。イネオスやイスラエル・プレミアテックなど総合を狙うライバルチームのアシストを振り落とすペースで、イェイロまで続く平坦路を突き進んだ。

フラムルージュ(残り1km地点)を通過する頃には先頭集団は約20名に絞られ、そのままフィニッシュラインへとなだれ込んだ。残り150mから良い形を作ったのはオランダ王者ティモ・ローセン(ユンボ・ヴィスマ)のリードアウトから飛び出したマイク・テウニッセン(オランダ)。しかしその右側からはトラックのネイションズカップに参戦していたイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が迫り、フィニッシュライン手前10mでテウニッセン抜き去った。

平坦区間をイスラエル・プレミアテックやイネオス・グレナディアーズが中心に牽引する先頭集団平坦区間をイスラエル・プレミアテックやイネオス・グレナディアーズが中心に牽引する先頭集団 photo:CorVos
スプリントを制したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)スプリントを制したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「素晴らしいの一言だ。風が強く、先頭で牽引する僕たちに対しライバルたちが集団後方にいることはわかっていた。だから集団を分裂させようとハイペースで引いたんだ。とても爽快だったね。下調べした通り登りで選別をかけ、小さい集団に絞り込むことができた。その結果が勝利と、おまけに総合タイムも稼ぐことができた」と、3時間に満たない短くも激しい戦いを制したヘイターは語った。

リーダージャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)は、区間6位だったカスパー・アスグリーン(デンマーク)のアシストに徹したため13位でフィニッシュ。そのためステージ3位と中間スプリントでボーナスタイムを加算したトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)が首位浮上を果たしている

翌日は1級山岳スタブストロ(距離12.1km/平均7.6%)の頂上にフィニッシュするクイーンステージ。ここで勝利する選手が、総合優勝を大きく引き寄せることになるだろう。

表彰台で勝利を喜ぶイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)表彰台で勝利を喜ぶイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
リーダージャージを獲得したトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)リーダージャージを獲得したトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) photo:CorVos
ツアー・オブ・ノルウェー2022第2ステージ結果
個人総合成績
1位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) 7:14:37
2位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 0:01
3位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)
4位 マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 0:10
5位 ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) 0:16
その他の特別賞
ポイント賞 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
山岳賞 ホーコン・オーラスト(ノルウェー、チームコープ)
ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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