日本最大のステージレース、ツアー・オブ・ジャパンを走ったバイクをゼッケン順に紹介していくシリーズも最終回。さいたま那須サンブレイブ、グローバル・シックス・サイクリング、ヴィクトワール広島、そしてスパークルおおいたのバイクを掘り下げて紹介します。



さいたま那須サンブレイブ ビアンキ OLTRE、SPECIALISSIMA

吉岡直哉(さいたま那須サンブレイブ)のビアンキ SPECIALISSIMA photo:So Isobe

那須ブラーゼンとさいたまディレーブを統合し、2023年に新たな門出を迎えたさいたま那須サンブレイブ。バイクはさいたまディレーブ時代から引き続きビアンキを使い、OLTREのXR4、XR3、さらには軽量モデルのSPECIALISSIMAもレース投入されている。

写真は相模原ステージで7位に入った吉岡直哉のSPECIALISSIMA。コンポーネントはシマノで統一され、吉岡のバイクはシマノDURA-ACE R9170 DI2(クランクはパワーメーター付きのFC-R9100-P)。社外のリアディレイラーハンガーを使用しているのがポイントだろうか。ブランドの制約が比較的無いようで、各選手によってコックピットなどのブランドは様々だった。

11速のシマノDURA-ACE R9170 DI2を運用 photo:So Isobe
ハンドル周りは各選手の好みでチョイス。吉岡はPROのPRO VIBEスーパーハンドルバーを使用 photo:So Isobe


ゴキソの完組ホイールを使う。ロゴはチームカラーのチェレステだ photo:So Isobe
ディスクローターはガルファー photo:So Isobe



ホイールは那須ブラーゼンから引き継ぐゴキソで、ガルファーからブレーキ関係製品のサポートを受けている。タイヤはパナレーサーのAGILEST TLR(25)。サイクルコンピュータはワフー、ペダルはスピードプレイ、バーテープはスパカズ。



グローバル・シックス・サイクリング トレック EMONDA SL、MADONE SLR

小山智也(グローバル・シックス・サイクリング)のトレック MADONE SLR photo:So Isobe

ハンドルは暫定仕様。なるしまフレンド小畑メカの手が加えられている photo:So Isobe
OPPEI photo:So Isobe



凱旋レースとなった小山智也が所属するニュージーランドのUCIコンチネンタルチームがグローバル・シックス・サイクリング。2021年創設という若いチームで、「多様な出身地や背景を持つ才能あるライダーに、プロサイクリングのプロトンを走る機会を平等に提供」することをモットーにする。

チームバイクはトレック。メインモデルはミドルグレードのEMONDA SLで、小山は二股に分かれたシートチューブ「IsoFlow」が目を引くエアロロードのMADONE SLRも駆る。ホイールは各選手個人が用意しているとのことだが、ロヴァールの使用率が高い。小山のMADONEに取り付けられていたのはマヴィックシールが貼られたカデックスの42 Disc Tubular。タイヤはヴィットリアのCORSA PROだ。

このTOJで使用率が高かったトライピークのオーバーサイズプーリー photo:So Isobe
マヴィックシールが貼られたカデックスの42 Disc Tubular。タイヤはヴィットリアのCORSA PRO photo:So Isobe


チームのメイン機材であるEMONDA SL photo:So Isobe

コンポーネントはシマノのR8170 ULTEGRA DI2で揃え、オフセットしたベアリング軸によってノーマルケージへの取り付けを可能としたトライピークのオーバーサイズプーリーをインストール。小山のMADONEはパワーメーター付きクランクセットFC-R9200-Pが取り付けられていた。



ヴィクトワール広島 BMC Teammachine SLR01、Timemachine Road

阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)のBMC Teammachine SLR01 photo:So Isobe

STIレバーを内側に絞り、さらに下向きに取り付けた特徴的なセットアップ photo:So Isobe
計測チップカバーもチームカラーのオレンジに photo:So Isobe



いなべステージでカーター・ベトルス(オーストラリア)が大番狂わせの逃げ切り勝利を挙げ、レオネル・キンテロ(ベネズエラ)が熾烈な勝負の末に山岳賞を獲得。オレンジ色のジャージが目立つヴィクトワール広島は今年のツアー・オブ・ジャパンで一気に存在感を高めることに成功した。

チームはBMCを駆り、オールラウンドモデルのTeammachine SLR01を軸にエアロモデルのTimemachine Roadも併用している。写真のゼッケン141はチームリーダーを務める阿曽圭佑のTeammachineで、大きくSTIレバーを内側に向け、さらにハンドルのドロップ部分に下向きに取り付けたハンドルセッティングが目を引く。

ホイールはヴィジョンのMETRON SLシリーズ。最終日、阿曽は60SLを選択 photo:So Isobe
パナレーサーのAGILESTをチームで統一使用。チューブレスとチューブラーが混ざる模様 photo:So Isobe


Timemachine Roadの姿も確認 photo:So Isobe

コンポーネントはシマノのR8170 ULTEGRA DI2をベースに、ベトルスは11速のR8070を使用していた。チーム内のビッグプーリー使用率が高く、トライピーク(阿曽)、KCNC(ベトルス)、セラミックスピードなど各社のモデルが揃い踏み。ホイールはヴィジョンのMETRON SLシリーズで、チューブラーやチューブレスなど仕様は様々。タイヤはパナレーサーのAGILEST。バーテープはリザードスキンで統一されている。コンピュータはブライトン。



スパークルおおいた ウィンスぺース T1550

黒枝士揮(スパークルおおいた)のウィンスぺース T1550 photo:スパークルおおいた

最後に紹介するのは、スプリンター中心のメンバー構成でプロトンに話題を呼んだ大分県大分市の地元密着型チーム、スパークルおおいた。スパークルは今年もウィンスペースのサポートを受け、このツアー・オブ・ジャパンには青地に金色のロゴと「スパークル」が入るチームカラーのT1550を準備して臨んだ。

スパークルおおいたはプロトン唯一のカンパニョーロ使用チームであり、SUPER RECORD EPSを使用する。チームカラーに合わせたSUMCチェーンを使っていることもポイントだ。

ディスクローターはガルファー photo:So Isobe
各部にベータチタニウムのチタンボルトを使用 photo:So Isobe


LUNのホイールにiRCのFORMULA PRO TLをセット photo:So Isobe
ボトルケージはアランデルを使用 photo:So Isobe



ホイールはLUNのHYPERで、iRCのチューブレスモデルであるFORMULA PRO TLを組み合わせる。ウィッシュボーンのセラミックBB、ベータチタニウムのチタンボルトなどサードパーティー系のカスタムパーツが多数採用され見所が多い。バーテープはカブト、ボトルケージはアランデル。

text&photo:So Isobe

最新ニュース(全ジャンル)