2023年に創業70周年を迎えたイタリア名門ブランド、デローザ。そのアニバーサリーバイク"SETTANTA"をローンチする。レーシングカーのデザインで名高いピニンファリーナとのコラボレーションによって、走行性能と美しさを両立した。



デローザ SETTANTA (c)日直商会

1953年、イタリアのミラノ郊外で創業したバイクブランドのデローザ。若干19歳という若さで自身のブランドを持つこととなった創業者のウーゴ・デローザ氏が率い、伝説の選手エディ・メルクスやフランチェスコ・モゼールらのバイクを作り上げ、数々の勝利を納めてきた名門だ。

ウーゴ氏はブランドの経営を息子のクリスティアーノ氏に引き継いだ後も長年の経験から生まれるアドバイスをもたらし、デローザというブランドを見守ってきたが、創業70周年にあたる2023年3月26日に89歳で天命を全うした。彼が最後に完成を見届け、その完成度に満足したというバイク"SETTANTA(セッタンタ)"がベールを脱いだ。

数々のスポーツカーをデザインしたピニンファリーナとコラボレーション (c)日直商会
スケッチから美と走行性能を追求した (c)日直商会



SETTANTA(イタリア語で70を意味)は50周年のCINQUANTA、60周年のSESSANTAに続くアニバーサリーモデルであり、構想より22ヶ月をかけて開発が進められた渾身の一台だ。現代のレーシングバイクに求められるエアロ、軽量性を満たしたうえで、デローザのアイデンティティを表現するためにイタリアのカロッツェリア"ピニンファリーナ"によるデザインが与えられた。

デローザとピニンファリーナは2015年より強固な協力関係にあり、SKシリーズでデローザのエアロロードを表現してきていた。今作では現代のスタンダードである軽量性も加えたオールラウンドバイクとしてデザインされており、ウーゴ氏から引き継いだ哲学とブランドの持つ知識と経験、ピニンファリーナの流麗なエアロフォルムが融合。速さと美しさが両立する1台を実現した。

艶めかしいフォルム (c)日直商会

ピニンファリーナが手がけたフレーム。隅々までアートのようなデザインが施されている (c)日直商会

FSAのテクノロジーが実現するケーブルフル内装によってフロントセクションはスマートなルックスに。加えてエッジのないヘッドチューブは空気の流れを妨げず、後方へと受け流す造形だ。わずかに傾斜するトップチューブはヘッドから直線的に伸び、六角形のシートチューブへと繋がる。

デローザによれば、リアエンド周りは技術と知識が詰め込まれた結晶だ。若干の角度が設けられたことによって重量減とエアロを向上させていると言い、ダウンチューブやボトムブラケット周りも洗練された造形とされている。

ペイントにもデローザの美学が反映され、カラーリングが施されたフロントセクションに対して、チェーンステーからシートチューブの一部はカーボン地が露出するデザイン。このカーボン地も12Kの織りシートから1KのUDシートにフェードする他に類を見ない仕上げが施されている。このリアセクションはバイクの高い反応性にも貢献しているとデローザはいう。

現代のレーサーをデローザらしい解釈で形にした SETTANTA (c)日直商会

SETTANTAのフレーム重量は730g(54サイズ)、フォークは280gにまとめられた。タイヤクリアランスは最大32Cまで。カラーはWHITE 70 GLOSSY、BLUE 70 MATT、RED 70 MATT、GOLD 70 MATT、SILVER 70 GLOSSY、PURPLE 70 MATT、CARBON 70 MATTという7種類が揃う。サイズも42.5〜56.5までの8種類。価格など詳細のスペックは後日発表予定だ。



デローザ SETTANTA
カーボン素材:30T(T800)28.6%、40T(M40J)38.2%、33T(T1100)33.2%
サイズ:42.5、44.5、46.5、48、50.5、52.5、54.5、56.5
カラー:WHITE 70 GLOSSY、BLUE 70 MATT、RED 70 MATT、GOLD 70 MATT、SILVER 70 GLOSSY、PURPLE 70 MATT、CARBON 70 MATT
BB:BB386 (86.5×46)
ヘッドセット:1-1.5″ to 1-1.5″
シートポスト:ゼロ・オフセット
フレーム重量:740g
フォーク重量:280g
タイヤクリアランス:32C
フレーム価格:近日発表

※フォークのカラーはフレームと同色、チェーンステイは全色カーボン素材マット、シートポストは全色ブラックマット、ダウンチューブのDE ROSAロゴは全てブラックで、REDとGOLDのみマット仕上げ

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